葉巻とは、「葉巻きタバコ」の呼称であり、タバコの葉を筒状に巻いたものです。
タバコの加工技術としては最古の部類に入り、古代中米で行われていた喫煙方法の一つであったとされています。ただし、当時は儀式などを行う際に大量のタバコ葉を用い、この煙を纏うといった宗教的な意味合いが強く、現在のような嗜好品としての趣はあまりなかったようです。
新大陸発見の際に、原住民がハバナ種の煙草の葉を生のままねじり、乾燥させたとうもろこしの葉に包んで巻いて吸っているのが目撃されています。これがヨーロッパに持ち込まれて、貴族階級や商人たちの間で広く嗜まれるようになっていきました。 その中で味や香りが洗練されていき、葉巻の材料であるタバコの栽培法、葉巻の製造法などが確立されていったのです。
葉巻とタバコとの違い
タバコは基本的に肺に吸い込んで楽しむものですが、逆に葉巻は煙を肺に入れることなくその香りや味を楽しむものです。
そして、タバコは葉を紙で巻いて嗜むものですが、葉巻はタバコの葉だけで構成されています。葉巻を構成するのは以下の3つ。
①フィラー
芯の部分。ここの葉タバコの種類やブレンドで味や香りの基本が決まります。
②バインダー
芯であるフィラーを巻き、締め付ける葉タバコです。
③ラッパー
バインダーの外側に巻かれた、一番外側の葉タバコ。フィラーとバインダーの燃焼を促す役割があります。
タバコは1本5分前後で吸い終わるのに対し、葉巻は短いものでも1本20分、大きいものになると、1時間半~2時間かかるものもあります。 (最近では多様化し、1本5分で吸い終わるような、細く短いタイプも販売されています) そのため、葉巻はタバコのように「仕事の合間に一服」という嗜み方ではなく、ゆったりと時間をかけて、その香りや味わいをじっくり楽しむものだとご理解下さい。
また、お酒と合わせて楽しむ場合も多く、ウイスキーやブランデー、ラム酒との組み合わせが好まれます。コーヒーやチョコレートとの相性もいいようです。
そして、葉巻はタバコよりも香りが強く(人によっては悪臭)、タバコのように灰を潰してしまうと、その匂いは強く拡散してしまいます。 ですから、マナーについては、より一層気にする必要があります。 しっかりと確保されたプライベート空間でゆっくりと時間をかけて楽しむことが条件で、なおかつそれにふさわしい嗜好品といえるでしょう。
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